韓国語(ハングル)の「名詞の尊敬語(~でいらっしゃる)」は、語幹の最後の文字にパッチムがあるかどうか?によって、次のように作ります。
ちなみに「尊敬語」は「존댓말」といいます。
【基本形】~でいらっしゃる
パッチム無 : 名詞 + 시다
パッチム有 : 名詞 + 이시다
【ハムニダ体の丁寧語に変換】 ~でいらっしゃいます
パッチム無 : 名詞 + 십니다
パッチム有 : 名詞 + 이십니다
【ヘヨ体の丁寧語に変換】 ~でいらっしゃいます
パッチム無 : 名詞 + 세요
パッチム有 : 名詞 + 이세요
「시」に丁寧語「어요」をつけると、本来縮約されて「셔요」(例:기다리어요→기다려요)となるのですが、発音しやすいように「세요」に変わります。
- 例文
-
- 医者であられますか?(医者でいらっしゃいますか?) 의사세요?
※名詞「医者(의사)」の最後の文字「사」にパッチムが無い - 先生であられますか?(先生でいらっしゃいますか?) 선생님이세요?
※名詞「先生(선생님)」の最後の文字「님」にパッチムが無い。
※「先生」は漢字語で「선생」ですが、韓国では更に「様」にあたる「님」がついて「선생님(先生様)」となります。さすが、儒教の国、といったところでしょうか?。学園ドラマなどでは、生徒が親しい先生や若い先生などに対して「 쌤(샘)」という선생님を略した呼び方をしていることもよく見かけます。
- 医者であられますか?(医者でいらっしゃいますか?) 의사세요?
- 尊敬の対象となる名詞に接続する助詞も尊敬表現にすることもあります
-
- 「先生にプレゼントを渡す」という文章は、
普通 선생님에게 선물을 건넨다 「~に」という助詞に「에게」や「한테」を使いますが、
尊敬 선생님께 선물을 건넨다 のように「에게」を「께」に変えます。 - 「先生がいらっしゃる」という文章は、
普通 선생님이 오시다 「~が」という助詞に(パッチムがあるので)「이」を使いますが、
尊敬 선생님께서 오시다 のように「이」を「께서」に変えます。 - 「先生は女性です」という文章は、
普通 선생님은 여성입니다 「~は」という助詞に(パッチムがあるので)「은」を使いますが、
尊敬 선생님께서는 오시다 のように「은」を「께서는」に変えます。 - 「先生も来られます」という文章は、
普通 선생님도 오십니다 「~も」という助詞に「도」を使いますが、
尊敬 선생님께서도 오시다 のように「도」を「께서도」に変えます。
- 「先生にプレゼントを渡す」という文章は、
- 名詞そのものが尊敬表現で別の言葉になることもあります
- 日本語の場合、「会社」を「貴社」、「自宅」を「お住まい」と名詞そのものが尊敬表現となるものがありますが、韓国語(ハングル)にも同様のものがあります。
- 이름(名前) → 성함(ご芳名)
- 생일(誕生日) → 생신(お誕生日)
- 말 (言葉) → 말씀(お言葉)
- 나이(年齢) → 연세(ご年齢)
- 밥(飯) → 진지(お食事)
- 사람(人) → 분(お方)
- 집(家) → 댁(お宅)
- 아버지(お父さん) → 어버님(お父様)
- 어머니(お母さん) → 어머님(お母様)
- 아들(息子) → 아드님(ご子息)
- 딸(娘) → 따님(お嬢様) など